百々果のお庭

貴方は〝自分の欲しいものを私に要求すること〟を恐れてはいないだろうか。


よくある理由をあげよう。


①〝百々果様は僕が何を求めているか既に知っている筈〟だから、僕はそれを求める可きではない。

→私はエスパー能力者ではない。

不合理な考え方であり、失望以外何も得られないぞ。


②〝弱み〟を見せることになるような気がする。

→私の足許では、弱く柔らかい心を見せて欲しい。

そのくだらないプライドのせいで、助けを必要としている事を認める事が出来ていない(又は気づいていない)んじゃないか。


③断られるのが怖い。

→全ては私の気分と貴方次第…

まぁ、とりあえず言ってみたらどうだ?

少なくとも、貴方に無力感を与える様な野暮な断り方はしないよ。


以上の理由は、どれも正当性がない。


…そうでしょう?


〝奴隷の分際で〟


…いや、それは違う。


貴方の要求が理にかなっているのなら、

堂々と、はっきり伝えたまえ。


私は命令されるのは、大嫌いだ。


然し愛らしい〝御強請り〟には、

案外、弱いんだよ……


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不意にAMANDAの電話が鳴った。


…私はもう帰り支度をしていたが、

当日飛び込み70分コースの問い合わせだった。


「まぁ…いいか。」

気が向いたので、引き受ける事に。


…扉をゆっくり3回ノックする。


足音が聴こえて来ないので、

扉の前で健気に待っていたのだな。


「…こんばんは……」

君は、感じの良い青年だった。

未だ20代前半かな。


私も挨拶を済ませて、入室。

ふたりで、ソファに腰掛けた。


「「「百々果様、ごめんなさい!!!」」」


驚いたよ…

いきなり大声で何事かと思うじゃないか。


…まぁ、君の話を聴くしかないね。


「僕は、1ヶ月程前からメールさせていただいている〇〇です。」


…あぁ、憶えている。

君だったか。


「冷やかしだったんです。来る気なんて更々無いのにメールしたんです。無料で女王様とメールしたいだけでした。」


…えぇ…?!全く気づかなかった。


「精々2、3件で無視されると思ってたのに、百々果様は1ヶ月間、僕のメールにきちんと返事をくれました。」


「ごめんなさい、許してください。」


…泣くなよ。


「どうして?

君はこうしてちゃんと逢いに来たじゃないか。」


切っ掛けなんて、どうでもいいよ。


君と出逢えた奇跡に、感謝する。



追伸


評判の良い高級レストランへ…


HPを開いてメニュー表を眺めていると、

注文したいコース料理に苦手な食材が…

融通が利くか、問い合わせしてみる事に。


「予約する気が無いなら、問い合わせしないでください。」


( 💢◜ω◝💢 )カッチーン……(金蹴りの構え)


そんなレストラン誰が行くか!!!


※ 不快に思う内容、返信の強要、度重なる同じ内容、理解不明な内容その他不適切であると判断した場合は返信を致しかねます。

きっとほぼ全ての女王様より。


素敵なM紳士で居てくださいね。

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「これ以上踏み込んだら好きになりそうだから、この辺りで切り上げよう」


「これ以上話すと面倒臭いと思われそうだから、黙っていよう」


「これ以上遊んだら明日の仕事に響くから、今日はもう家に帰ろう」


………


貴方って、大変ね…


相手に惚れ過ぎず、

期待し過ぎず、

絶望し過ぎないように…

逆算しながら動いている。


大体の人間は大人になると、

〝どうしたら傷つかずに済むか〟

そんな先廻りが上手くなるのかな。


私はそんな風にはしたくない。

貴方にそうして欲しいとも想わない。


そんな退屈な器用で嫌らしい心なんて、

今直ぐ捨ててしまいなさい。


…少なくとも私の足許では、ね。


貴方は私に対して全力で好意を示す、

それは当たり前でしょう。


…そして、私に存分に期待しなさい。

もし仮に、私がその期待に添えなければ、

どうか怒り、悲しみ過ぎずに、

その理由を率直に伝えて、

再度、期待し直して欲しい。

絶望は、決して与えない。


貴方は、

もっと不器用で、下手くそになれ…


最高の一瞬のために、

時間もお金もその身体も心も、一切ケチるな。



追伸


大人こそ、大人気ない事をして愉しむ…


それが大人の醍醐味じゃないのかな……

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