「ももかはなんでそんなに勉強するの?」
学生の頃、唐突に私にそう訊ねてきた青年がいた。彼とは学部生の頃、ゼミが一緒だった。
後に、共に修士課程に進むことになる。
「別に勉強している意識はなかったけれど…
だって私、いつも本読んでるだけだし…」
「もう勉強しなくていいかなぁ…
こんなに勉強しても何になるのか分からない」
「勉強する意味…
そんなことすら分からないのならば、
修士に進むべきじゃないんじゃない?
20歳を超えたら性格なんて変わらない。
私のいう性格とは、それまで行われた莫大なインプットで形成されている。
学ぶメリットのひとつは、
〝今、目の前にいる相手の言葉や行動の何かが、論理的・道理的・人類の経験知的に、おかしい〟
…そう察知する知恵・知識を、即席インストールできる点にあるんではないかな?
何かこの人の主張はおかしいなと感じる時、
それは勘や気まぐれがそう言ってるんじゃない。
本当に、そいつがおかしいからだよ。
そう思いながら関係を続けても、
時間、金、体力…即ち人生の無駄だ。
自分の心だけ腐る。
弱っていき、自分が嫌になる。
まぁ、どうでもいいけど…
もう変な奴等とつるむの辞めなよ。」
真面目一辺倒の罠…
私が奴隷にも命令しないようなことするなよ。
「ももかは、敵を作るの怖くないの?
ひとりになるのが、怖くないの?」
「一体全体、何言ってるの?
1人敵を作ったなら、
5人、10人の味方を作ればいい。
人間なんてそこら辺にいくらでもいる。
わかった!?!
私には永遠に叶わない秀才くん…」
追伸
訂正するよ。
修士・博士課程修了おめでとう。
貴方は、努力の天才。
敵わないよ。