貴方って欲張りな人ね…
だって、全ての人に好かれようとしてる。
そんな必要は、全くないのに…
大きな書店で面白い本を探しているとしよう。
伝記には興味がない。
児童書は何年も前に卒業した。
犯罪ドキュメンタリーは怖いので敬遠。
こうしてコーナーからコーナーへと移動すると、色々な本があることに気づく。
興味のある本もあれば、興味のない本もある。
推理小説のコーナーを通り過ぎると、
冒険小説のコーナーがあった。
「これだ!」
貴方は数分以内に一冊の本を選び、
それを買って帰宅した。
ところで、何故こんなに多くの種類の本があるのだろうか?
答えは簡単だよね。
それだけ多くの種類の読者がいるからだよ。
その点で人間は本に似ている。
退屈な人…
不愉快な人…
自分とかけ離れている人…
自分とぴったり合う人など様々。
こうして俯瞰的に人々の多様性を考えると、
好きになれない人がいるのは、仕方がない。
貴方を嫌っている人がいるのは、当然となる。
では、貴方は、貴方を嫌っている人にどう対応すべきだろうか?
これも同様に答えは簡単。
貴方に危害が及ばない限り、何もする必要はない。
大きな書店にて興味のないコーナーを通り過ぎた時のように華麗にスルーしたらよろしい。
誰かが貴方を嫌っているからといって、
貴方に問題があるというわけではないんだよ。
稀に貴方のように己の性格の一面を変えて好かれようとする人もいるけれども、余程問題のある性格でない限り、そんなことをする必要はない。
仮に他人から嫌われている己の側面全てを変えようとすると、一人一人の好みは全て違っているのだから、途轍もない作業に取り掛かることになってしまうよ。
そんな欲張りな気持ちは捨てていい。
他人が嫌いという貴方の一側面を、
愛してやまない人間も此処にいるのだから…
貴方を好きだと言ってくれる人間と、
最高にワクワクする冒険に出掛けるべきよ。
貴方が選んだ冒険小説よりも、
遥かに面白い旅路になるに違いないわ。
追伸
みんな赤いのに、
一匹だけはカラス貝より真っ黒。
でも泳ぐのは誰よりも速かった。
名前はスイミー。
「僕が目になろう!」
大人こそ、児童書に帰るべきだと想います。