「百々果さんは〝優しい〟ですね」
…優しさ。
多分、そうでもないんじゃないかな…
優しさと自己防衛ってとても似てるから。
何方も表向きには他人への親切心や慈愛のように見えるけれども、よく視れば明確に違う。
優しさが、自信を顧みない行いだとするのならば、優しさに見せかけた自己防衛は、自分の立場や状況をこれ以上悪化させないように振る舞う行いを指す。
もちろんそれが悪いことだと指摘するつもりはないよ。
私にも貴方にも身に覚えがあるだろうから…
ただ、あえて言うのであれば、
あれは、優しさではない。
優しさを生み出す行為でもない。
自分が知らない痛みへの共感は、分かったフリでしかないんだよ。
痛みも苦しみも、傷つけられることも…
もう、たくさんだ。
でも、人は傷つけられた分しか、
優しくはなれないかもしれないから…
私はあの日に、ずっと感謝してる。

