私は、人前で愚痴や悪口は言わない。


寺山修司の「愚痴を言っている女が美しいはずがない」という明言が私にそうさせているのかもしれない。


ただ、心の何処かで何かを全力で嫌っていることを隠そうともしない人は、素直で、愛らしく、美しいとさえ感じてしまう私もいるのよ。


それでも、人前で悪口を言わない方が良いのは、周囲の人間関係の環境汚染に繋がるというよりも、己の弱点を周りに絶叫していることになるからかな。


たとえその悪口が小声で行われていたとしても、そうよ。


正に、初対面の相手に自己紹介と同時に、己の性感帯の位置まで丁寧に告知するようなもの。


「彼女は、とりあえず否定から入るから。」


私は貴方のその言葉を聴いて、決断したのよ。


相手を否定して屈服させようとすることで、何としてでも相手を手に入れようとする人間は存在する。


それは、呪い。


本当に貴方のためを想って何かを言う人は、そんな姑息な手段に訴えない。


真摯に、一対一で、何度でも口酸っぱく語るでしょう…


同じことを何度でも諭してくれる人は、少々鬱陶しいかもしれないけれども、でも、大切にするべき人なのよ。


決して誤魔化したりせず、ちゃんとした方法で、ちゃんと大事なことを語ってくれる人は、掛け替えがない。


そして、信じる価値がある。


追伸


貴方の前では、素直で、愛らしく、美しい、ひとりの女性でいても、いいですか?

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