聖なる夜…
貴方に招待されたのは、レディ・クリスタル。
貸切ナイト・クルージング…
貴方の本質的な欲望を理解できる人間は、この世界に私だけだと断言できる。
少年がハンマーで何度も自分の親指を叩いていた。
その様子を目撃した人間が不思議に思い「どうしてそんな痛いことをしているの?」と訊ねたそうよ。
「叩くのをやめたときに気分が良くなるからさ」
これが他愛もないジョークのようだけれども、ひとつの重大な真実を言い当てているよね。
それは、この少年がハンマーによって自分に苦痛を与えていたように、私たちも自分の感情によって自分に苦痛を与えているということです。
貴方は感情の反応が自動的だと思っているのかな?
つまり何かが起これば、それが貴方に自動的に反応を起こさせているというふうに考えているってことよ。
でも、実際にはそういう仕組みにはなっていない。
感情は、内面の働き。
何かが起こった時、嫌だなと思うのは貴方であり、貴方の感情によって自分を叩きのめしてしまうのよ。
苦痛を伴うこのような感情を自分で創り出していることを認めないから、外的原因に責任を押し付けて自分がその犠牲となったと感じる。
でも、それじゃ解決しないよ。
その反対に、自分の心の状態は自分に責任があると認めれば、創造する素晴らしいエネルギーは生まれるはず。
うまく利用しようよ。
己を叩くのはもう辞めなさい。
そして、代わりに私を叩きのめしてみなさい。
傷つけていいよ。
全て解放して、私の中で存分に暴れてごらん?
貴方の中の三島と太宰…
私は、ふたりの男を同時に愛してあげられる。
だから、貴方は私だけを愛しなさい。
ありがとう。
感謝しています。
追伸
東京湾を凛とした美しい姿で周遊する “海上の貴婦人” レディクリスタル。
来年の夏が彼女にとって最期の航海になる。
大丈夫。
私は、約束は必ず守るから…
知ってるでしょ?



