私の目の前に〝押したら一瞬で夢が叶うボタン〟が現れる夢をみました。


そのスイッチは、私のだいすきな色をしていて、愛らしい花の装飾もされている。


「嗚呼…触れたい」と手を伸ばすより先に私はそのボタンを蹴り飛ばして己の視界から消していた。


そこで目が覚めたんだよ。


さて、もし目の前にそんなボタンがあったら、貴方は押すだろうか?


この質問への返答が「YES」ならば、棲む国を間違えているかもしれないよ?


なぜならば、私がそうしたのはこれまで数々の夢を叶えてきたからでも、充分なお金を持っているからでもなく、夢を叶える過程にこそいちばんの楽しさがあると知っているからです。


「ももか先生、俺は押すよ。


押して、金持ちになるんだ。


もう苦労したくない。

なに不自由なく暮らしたい。


俺だけなんでないんだよ。」


「じゃあ、君が夢ボタンを押してお金持ちになったとしようね。


好きな服を着て、好きなものを食べて、華やかな生活を手に入れたことに信じられないほどの幸福を感じるでしょう。


でもね…

3ヶ月もすれば必ず、喪失感が訪れるよ。


どうしてか、分かるでしょう?


夢ボタンを押して叶えたその夢には物語がなく、夢を叶えたことに対する納得感がないからよ。」


「ももか先生にはわかんねーよ!

生まれながらのお嬢様には一生わかんねーんだよ!!

俺がどんな扱いを受けてきたと思ってんだよ!!!」


大粒の涙が君の人生を物語ってる。


「…これは、花の名前をつけられた少女の話よ。」


𝑻𝒐 𝒃𝒆 𝒄𝒐𝒏𝒕𝒊𝒏𝒖𝒆𝒅…

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