「百々果さんって、変わってますね。」
その台詞、聞き飽きた。
では、貴方は日頃どのように物事を認識しているのだろうか?
近代ドイツの哲学者イマヌエル・カント。
彼は人間はまず〝感性〟によって対象を捉えるが、その際〝在るが儘を捉えることはできていない〟と説いている。
というのも、
人間は物事を捉える時、視覚や聴覚といった五感を働かせているが、殆どの場合その五感には限界がある。その限界の範囲でしか物事を捉えることが出来ていない。
敢えてショッキングな言い方をしよう。
〝貴方が相手(物)を認識しているのではなく、
逆に相手(物)が貴方に合わせて存在している〟
これは、地動説を唱えたコペルニクスになぞらえて〝コペルニクス的回転〟と呼ばれている。
たとえば、
貴方が私を世間知らずの変わり者だと思っているのは、そのようにしか捉えることが出来ないからだよ。
仮に私が感じた色彩を言葉で表現したり、
見えない羽で触れてやったとしても、
貴方には何も聴こえないし、
見ることも、感じることもできないでしょう。
〝私は常に物事を逆から視る〟
自分の方から物事を捉えるのではなく、
対象の方から捉える。
具体的にそれは、
五感を超えた能力を想定して対象を想像することを意味している。
「変わっている」
それは最も簡単でつまらない解釈だ。
本当は…
私たち人間には捉えきれていない
素敵な部分がまだまだ在るのではないか……
そうやって、想像を巡らせてみなさい。
だってその方が面白いでしょ?