私の足許にはM歴20年以上とかいう訳の分からん凄い生き物が結構寄ってくる。

(稀に歴30年という生きる化石も登場する)


私はこの世界に誕生してから26年…

女王としては10年だ…


やはり何処か見定められているような気がするよ…

そんなつもりは無いんだろうが、真性Mとしての経験則或いは本能がそうさせてしまうんだろうな。

是迄一体どんな失敗をしてきたのかね…


まぁ、そんな眩しい眼差しを向けられたところで、大したものは差し渡してやれないぞ。

その期待に直ぐに応えてやろうなんて、全く考えていない。

じっくり愉しませて貰いたいからな…


「堂々とされていますね」


…何時も聞き返したくなるんだが、

直ぐに面倒になって辞めてしまうんだ。


「堂々としていない女王なんて居るのか?」


私は自分に自信があるよ。


容姿端麗、高い専門性と技術、女王様歴…

私より優れた女王はゴロゴロ居るだろうが、


“花神 百々果は世界に一人”

女王として天賦の才を与えられた人間。

私との出逢いは天からのGift…

此の奇跡に心から感謝しなさい。


こんな風に本気で想ってしまってる(超重症)


でも、仕方ないよな…


ちょっと、頑張ってみてはいたんだよ…


好きな事を仕事にする。

職業は、SMの女王様。


…いやぁ…無理だ。

一ヶ月半やってみて、やっと解った。

私はプロフェッショナルにはなれない。


“職業は、花神 百々果”


一人の人間として貴方に全身全霊で向き合う。

本気で遊べば、きっと仲良くなれる。

私という唯一無二の存在が貴方を幸せにする。


…そう信じて、もう少し此処に居てやるよ。



追伸


「百々果様の様な方にお目に掛かった事は、私のM人生27年で一度もございません」


都内SMクラブ多数御用達のお前がそう言うんだ…


良くも悪くも、踏ん切りがついたよ。


感謝する。


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