「百々果様は、休日何をしてお過ごしですか?」
実のところ…
私は休日…完全なオフは、殆どない。
慈善活動に注力しているんだ。
これは、10代の頃からずっと…
具体的には、そうだな…
ハンディキャップ…
障害や貧困…虐待…その他様々な事情を抱える子どもたちに療育・教育的支援及び金銭的支援を行っている。
この様な話をすると、
一部、冷ややかな目を向ける人間もいる。
ある人間が私に対して、
「貴女のしていることは、
まったく無意味なことなのです。」
…そう訳知り顔で意見してきた事があった。
『何故だ?』
「苦しみは昔からあるもの。
今、この子たちを一時的に助けても、
結局は、いたちごっこになる。
全ての子どもを救うことはできない。
ただ苦しみを長引かせるだけかもしれない。」
彼は60代前半くらいだったかな…?
上等な服を纏ったそれは膨よかな男だった。
『貴方、お子さんはいらっしゃる?』
「ええ、孫までいますよ。」
『そうですか…では……
先ずは貴方のお孫さんから始めましょうか。
貴方のお孫さんが風邪をひいても、
決して薬を買わず、与えないでください。
たとえ事故に遭っても、
病院に連れていってはなりませんよ。』
『どうして驚くの?
貴方が言っていることは、そういうことよ。』
『目の前に苦しむ人がいれば、助けるのが当然。』
『それを無意味という貴方の主張は、人間性に反する。』
私は幼少期、充分な愛を得られなかった。
だからこそ〝今〟を生きる子どもたちには、
溢れんばかりの愛情を注いでやりたい。
持てる者は、持たざる人々のために尽くす道徳的義務がある。
追伸
「ももかせんせい、ぼくのたからものあげる」
彼は私に〝秋のお土産〟をくれた。
これ、本物の〝たからもの〟だよ。
ありがとう、感謝します。