私は幼い頃、食料が十分に与えれず、

飢えを凌いで生き延びた経験がある。


まともな食事ができる環境に身を置いても、

最初の食事は吸収できずに

激しく吐き戻してしまっていた。


身体が豊かな食を受け付けない…

それなのに、掻き込んでしまう…


「恥ずかしい…」

幼いながらも、そう感じていた。


「食事は、ひとりで…

悪いけど、席を外してくれないか。」


いつも口癖のように言っていた言葉。

随分と周囲には気を遣わせてしまった。


『百々果様…

一緒に作って、一緒に食べましょう。』


貴女が、教えてくれた。

〝誰かと共に食に触れる豊かさ〟


少しずつ食べられるようになった。

彼女が作ってくれるオムライスだけは、

全部食べられた…大好きだったんだ。


〝人と食べる愉しみ〟を見出すことができた。


現在も、食べること自体は大好き…

でも、得意…上手では、ない。


私に友人はいないので、

偶にNightと食事に出掛けているんだが…


私は、高級料理でなければ悦ばない。

…それは、大きな誤解だよ。


普段外食はしないので、

勿論、貴方と一緒ならばそれだけで嬉しいよ。


然し、味はよく分かっていない。

どんなお料理が出てきても、

「嗚呼…美味しいなぁ…ありがとう。」

…そんな感じなんだ。


印象深い出来事…


あの時は確か…

貴方が「お肉の焼き加減が…」そう言って、

シェフを呼び出したのよ。


貴方の言う通り。

当初のオーダーとは全く違っていたけれども、

私はこう言ったわよね…?


「彼の分だけ、焼き直していただけますか?

私は、この儘で結構です。」


不思議そうにする貴方へ…


「半飢餓状態を経験した人間はね、

ステーキがよく焼けていないからといって、

突っ返したりはしないわ…

私は、味はよく分からないし…いいの。

用意してもらえた…百々果のお食事がある…

…それだけで、有り難いよ。

うん…とっても、美味しい。」


追伸


差し入れはなくていい。


…そうは言っても、

何かしら手土産をもってきてくれるね。


【百々果は味より量】

【百々果さんは好き嫌いない】

【百々果様は見た目は重視する】


Night諸君、正解!


全部、美味しいよ。

直ぐたいらげてしまうので、写しきれない…


いつも、ありがとう。


いただきます。

ごちそうさまでした。


心から、感謝しています。

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